L:ヤガミ連合体の誕生 = {
 t:名称 = ヤガミ連合体の誕生(イベント)
 t:要点 = アイドレス聯合通信,色々なヤガミ達,真面目そうな顔
 t:周辺環境 = 円卓
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *ヤガミ連合体の誕生のイベントカテゴリ = ,,世界イベント。
  *ヤガミ連合体の誕生の位置づけ = ,,{特殊イベント,自動イベント}。
  *ヤガミ連合体の誕生の内容 = ,,以後、すべてのヤガミは協力体制を敷き、ヤガミ間の黄金戦争を防ぐ。ヤガミと仲の良いACEもこれに続く。
 }
 t:→次のアイドレス = 火星へ帰る(イベント),ヤガミの星(特別職業),ヤガミの強化(イベント),RB・望郷号の開発(イベント)

【連合/▼聯合】
(1)二つ以上のものが組み合わさって一つのグループになること。
(2)〔心〕〔association〕感覚面・感情面・思考面におけるさまざまの心的要素が、お互いに結びつくこと。観念連合。



NWには今や、数多のヤガミが存在する。
しかし、彼らはもう”ヤガミ”と一括りで呼称しきれない存在だ。
同じヤガミといえどそれぞれに個性があり、 それぞれの戦場に立ち、それぞれに譲れぬ想いを持っている。

元は一人のヤガミから生まれた彼らだが、顔を合わせることはまず無い。

それは、黄金戦争が発生するからだ。


黄金戦争。
それはただ一人の存在になるために行われる同一存在同士の殺し合い。
大切な者同士の戦いに、彼らの隣に立つ者がこれまで流した涙はもはや数え切れない。
長く続くこの戦いに終わりはないの…?舞踏子たちが挫けそうになったとき、一人のヤガミが言った。

 「黄金戦争とやらを、とめてみたい」 と。

彼がそう考えたのは、彼の隣に立つ愛おしい人を悲しませたくない故だったのかもしれない。
その言葉を発したヤガミは一人だったが、その想いは全てのヤガミに響いた。
それはまるで魔術のように。
だが、もしかしたらそれは魔術でも何でもなかったのかもしれない。
心も体も分かれた彼らだったが、「大切な人を悲しませたくない」その根底の想いだけは同じだったのだから。

彼らは決意する。愛するものの涙を止めるために、”黄金戦争”そう呼ばれる戦い自身に、戦いを挑むことを。
彼らはその決意の現われとして、連合体を結成した。
戦いを止める戦い、その誇り高き戦場に立つために。





”連合体”はヤガミ達の決意の元、無事結成された。
難しい顔をするヤガミもいたが、愛するものの涙に弱いのはどのヤガミにも共通していた。
名を変えた者も含め、ヤガミ全員の協力を得ることができたのは、彼らを説得した舞踏子の働きも大きい。

連合体は誕生したものの、ヤガミは各地に散っているため、ひとつところに集まるのは難しい。
そこで普段はネット上で円卓を囲み、各地での情報交換を中心に、情報の共有を行っている。
その数の多さと、各地に分散していたことが利点となり、
アイドレス全体をもカバーするヤガミネットワークがここに誕生した。

これまで単独行動が多かったヤガミだが、互いが互いのフォローに入り、
行動中のヤガミには複数の別ヤガミのサポートがつくなどの対策をたてた。
互いの作戦行動を理解し、ネットワークがそれぞれの所在地を把握、
間接、時には直接バックアップをすることで行動の精度があがり、作戦成功率が格段にアップした。
もちろんこれらにおいて黄金戦争対策もぬかりはない。

さらには、元が一人だったためか、戦闘時も阿吽の呼吸で見事な連携を見せ、戦術にも幅が出た。
また、己のことには無頓着な彼らだが、一歩引いて別の自分を見ることにより、
自分を心配をしている者の存在を再認識したのか、
作戦行動前の想い人へのフォローも不器用ながら着実に行うようになった。 

元は一人のヤガミだったが、彼らは分かれ、そして分かれた己たちを認め合い結集したことで、
ヤガミ一人一人が一人以上の力を発揮できるようになった。
その力は倍…いや二乗にも及ぶのではないかと言われている。
彼らはこの力を、己が正義のために、愛するもののために、存分に振るう。
元は一人だった、だが今は別の存在となった、心強い仲間とともに。

/*/

ヤガミネットワークはアイドレス各地の情報をリアルタイムで得ることができ、
その特性を生かし、時にアイドレス聨合通信に情報を提供している。
(実際にヒサヤガミはその編集作業に時折関わっており、
ヤガミネットワークは自然な形でアイドレス聨合通信に参加している)
彼らが協力することで、アイドレス聨合通信は各地の情報をより早く正確に得ることが可能となった。

ちなみに協力の対価に、PCへのメッセージを送る権利を一名分得獲得したヤガミ連合体が、
誰のメッセージを載せるかで会議が大荒れするという噂があるが、その真偽の程は謎である。


(文:鍋@ふぁん)
(イラスト:矢上ミサ、田鍋とよたろう、島鍋玖日、八守時緒)



(イラスト:八守時緒)

「よし、完成だ……」

 机の前に座っていたヤガミは作戦案の入力を終えると首を回した。
このヤガミはヤガミの中でも戦略分析に強いヤガミであった。

 ヤガミのパソコンの前には今回の作戦用に作られた戦略検討用のプログラムが用意されていた。

「さて、今回もうまくいけばいいがな……」

 ヤガミはそう呟くと暗号プログラムとともにデータを今回の指揮を担当するヤガミへと送った。
もちろん他の者にはデータの内容が
知られないようにデータ内にいくつものトラップを仕掛けている。
このデータの送り方やトラップなども別のコンピューターに一番強いと思われる別のヤガミが用意したものである。

「……ヤガミ?」

「どうした?」

 ヤガミは今日の仕事は終わりとばかりに後ろに振り返り笑った。
そこには彼が一番に大切にしている人がいた。






(イラスト:八守時緒)

「ふむ、問題はなさそうだな」

 ヤガミはそう呟くと空中に表示されている画面へとタッチし、次々と情報を閲覧した。

「MAKI。作戦のサポートに移る。目標座標へ移動開始」

「了解です。これより作戦行動に移ります」

 MAKIの言葉により夜明けの戦艦が宇宙の海を駆けるように滑り出した。

「ふ、それにしても俺が他のヤツと協力をする事になるとはな……」

「艦長は一匹狼ですからね。主義をお換えになるチャンスだと思いますが?」

「ふん、MAKI。今回はオレ自身に協力するようなものだ。特に主義を変えたつもりはないぞ?」






(イラスト:矢上ミサ)

「オペレーションブレイクアタック開始。Rは状況によっては撤収。
艦長はジャミングを開始し相手の通信施設を混乱させてやってくれ」

「こちら了解だ」

 艦長からすぐさまに返事が返ってくる。

「R、どうした?」

「……すまん。助けたい奴ができた。少し遅れる」

「早くしろよ」

「ああ」

 ヤガミはそこまでで通信を切ると状況が刻々と変化していくモニターをジっと見た。
今回はそんなに大変な作戦ではない。
それにまぁ動くの自分と同じヤツだ。

「やがみー」

「ん」


 唐突に後ろから抱きついてきた相手を見ると、相手はニコニコ笑っている。

「なぁなぁ、ヤガミの好きなコーヒー入れてきたぞー」

 ニコニコ笑っている相手に顔をしかめつつも受け取るヤガミ。
コーヒーをよく見ると少しだけ赤かった。

「……辛い」

「えー、そうか。結構おいしいと思うんだけどなぁ。オレ特製のチリペッパーコーヒー。
辛さの中に甘さも入っててダブルでお得だと思うんだけど……なぁ」

 しょんぼりした相手に苦笑し、ヤガミは相手の頭をなでた。

「でへへー」

 あっというまに機嫌を直した相手に微笑んだ。

「……そうだな。情に弱いかもしれん……」

 ヤガミはRが失敗する可能性を考え、モニターにあるデータを確認。
別の相手に通信をかけた。






(イラスト:島鍋玖日)

「トラップボム、終了っと……あとはここから逃げ出すだけだが……」

 今回敵地への侵入する仕事を担当したヤガミは社員として潜入捜査していたヤガミであった。
コードネームは「R」。
今回も特に問題なく作戦は完了していた。
Rがヤガミ連合へと参加したのはただ単純に気まぐれであったのだが……。

 シューン!

 その時、暗闇に包まれていた部屋のドアが開いた。
見つかった? と一瞬緊張したヤガミは相手を見つけかすかに微笑んだ。

「あれ?、ヤガミさん、こんな暗い所で何をしているのですか?」

 ヤガミを見つけた彼女は部屋の電気をつけようとして……ヤガミに止められた。

「ヤガ……」

 彼女に抱きつくヤガミ。

「なぁ、よかったら俺と一緒に行かないか?」

「え、ええ!?」

 他の俺と同じ境遇になるとはな……そう思いつつもヤガミは脱出の方法を考えた。

「いや、反論はあとで聞く。ひとまず俺について来い」

 彼女はヤガミの言葉に顔を真赤に染めた。






(イラスト:田鍋とよたろう)

「……というわけで、Rの脱出は少しばかり遅れる可能性がある」

 通信の向こうではなんかヤガミーと誰かが言っている声がする……。

「ふむ、まぁいいだろう。Rはまだ相手がいなかったしな……」

 黄色いスーツを着たヤガミは笑うと、目を回りに向けた。

「まだ外部にはバレてはいないが、時間をかけると地元警察も動く」

「ああ、艦長が施設外への連絡をシャットダウンするようににジャミングをかけているが、あまり時間がない」

「わかった。状況によってはヤツにも出てもらう。俺は情報操作を行う」

「頼んだぞ」






(イラスト:八守時緒)

「民のレスキューの声が聞こえるでござる」

 その男は夕日をバックに呟いた。
その声に反応するかのように後方に置いてあるノートパソコンから声が聞こえた。

「ヤーガ、お前の出番だ」

「ふ、拙者の出番が来るとは何事でござるか?」

「Rが潜入捜査中に連れができたらしい……追手のかく乱を頼みたい」

「承知でござる」




 そしてその男は現れる。




「スパイだと!?」

「はい、現在Bの26地点まで追い込みました」

「よし、すぐに向う」


「待つでござる!!」

 Rを追う追跡者達の前に現れたのは赤いマフラーに青い忍者装束の男!

「なにもんだ、てめぇ!」

「天が呼ぶ地が呼ぶ風が呼ぶ……正義を呼ぶ声がする!!」

 忍者装束の男はそこで決めポーズを決める、と同時に青い爆煙が男の後ろに起こる。

「セカーイ!!!!忍者っ!! 見参!」

「な、なんなんだてめぇ!」

「お主らのようなものに名乗る名前などない!!」





 ヤガミ連合体、それは様々なヤガミが集い、
そしてそれぞれの得意分野を生かしつつも共通の目的を達成しようとする
愛と勇気と希望に満ちあふれたかもしれないヤガミ好き待望の団体である。

(文:銀内ユウ)





【おまけ】そんなヤガミ達に鍋っ子からのメッセージ

鍋@ふぁん「ヤガミ連合体!?・・・全員まとめて応援してます!」

まき「?? ヤガミたちが…!?」
  「なんとヤガミたちががったいして…
   キングヤ……」
  「………だれかそろそろ突っ込んで下さいー;」

藤村 早紀乃「みんな仲良く」

ヤガミ・ユマ「けんかはよくないですからねー。これでみんな仲良しさんできるといいですね!」

矢上ミサ「みんながそれぞれ健やかで丈夫にすくすく活動できたらいいとおもうよ」
     「ところで連合体本部が鍋の国地下にあるっていう噂があるという噂を流していいかな!いいよね!」

八守時緒「うん、うん。いいんじゃないかな」







願わくば、それぞれのヤガミが幸せでありますように。